SCARSの歌詞を考察するオタクの深読み早口長文

SCARSって良い曲ですよね…

youtu.be

hideを知っていれば「意味深」と感じる歌詞の代表格です。「4文字のタトゥー」「お前の横顔」など、意味深な比喩っぽいものが頻出するけれど、それらが何を指しているのかわかりそうでわからないので、考察したくなる歌詞だと思います。

私もその一人として、長年のオタク活動で培った深読み能力をフル活用し、最初から最後まで考えてみました。

HIDE自身はこの曲で何について書いたかは言っていません。正解はわかりません。

正解のないことを考えるのが趣味の人が書いています。そういうのを読むのがお好きな方の暇つぶしになったらうれしいです。

 

 

 

SCARSの基本情報

1996年11月18日発売

アルバム「DAHLIA(1996年11月4日発売)」からのリカット

XJAPANでは唯一のHIDE作シングル(jokerは両A面)

SCARSの前身となるSCARS ON MELODY(歌詞そのまま)は1994/12/30の時点で発表されているが、

YOSHIKIが「melodyの響きが気に入らない」と言ったことが理由で、「SCARS」にタイトル変更された。

 

 

発売当時の状況

1992年にベーシストのTAIJIが脱退させられ、新メンバーのHEATHが加入。世界進出を掲げ、バンド名がXからXJAPANになった。

世界進出の足がかりとなるアルバムとして構想されたDAHLIAは、1993年から3年間にわたる過酷なレコーディングの末、結局日本向けに発売。

SCARSはDAHLIAの発売後にシングルとして発売された。

発売翌年の97年末にXJAPANは解散。

 

 

最初に聴いたときの印象

XJAPANのその後の展開や、発売当時の状況を知っていたのもあり、

「HIDEが周囲に対してものすごく喧嘩を売っている歌詞なのかな?」と思いました。

露骨に悲しそうだし、怒っているんだけど、誰のために、誰に向かって、何を怒っているのか?は分かりそうで分からない感じ。

 

歌詞とは関係ない部分の考察

SCARS ON MELODYとSCARSは、歌詞の内容は同じですが、演奏がところどころ違います。

一番大きな違いは、SCARSになってからはイントロでHIDEが歌詞を読み上げるようになった点です。

この演出かっこよくて大好きなんですが、「MELODY」が無くなったからかな〜?と思っています。

 

 

歌詞考察

唇からこぼれ落ちる錆びた爪のかけら

舌に残るその苦みが傷をこじあける

 

XJAPANを知っている人なら、「錆びた爪」から同アルバムDAHLIA内に収録されている「Rusty nail」を連想すると思います。

ここはそれを狙ったダブルミーニングだと思います。

「爪」って、腐るけど、錆びないと思いませんか?

しかも唇からこぼれ落ちるってことはくわえています。

切った爪(しかも錆びてる?)をくわえている状況、そのまま読んだらよく分かりません。

錆びた爪」は「ギターのピック」じゃないかと思います。

ピックならくわえるのも自然だし、錆びたピックをくわえた後なら、苦みが残るのも自然です。

錆びているということは、使い込んだ古いピックです。

古いピックの苦みが「傷」をこじ開ける。

そのピックがまだ苦くなかった昔の思い出(トラウマ)が蘇る、という感じのシチュエーションなのがわかります。

また、あえてピックで時間経過を表しているので、バンド絡みのトラウマなのかなあ、とも想像できます。

 

流し込め今セルロイドの夢を

ふさがる傷痕に4文字のTATTOO

 

セルロイドといえばCDディスクの原料です。

これを流し込むと、先ほど開いた「傷」は「傷痕」になって「ふさがる」のです。

ここは分かりやすく、CD(=音楽活動)を売って生計を立てる夢が叶った現状によって、先ほど思い出したトラウマは影をひそめるけれど、傷痕になって残るということでしょうか。

TATTOO」ですが、HIDEにとってタトゥーは「セルロイドの夢」=「アーティストとして生計を立てる夢」が叶わなければ、入れることのないものでした。

本人はタトゥーについて聞かれた時「オシャレで入れたわけではない」「バンドメンバーのTAIJIの付き合いで入れた」と答えており、

負い目から「家族にはしばらく経つと消えるって嘘をついた」とまで言っています。

HIDEの入れたタトゥーの図柄には、サーベル(サーベルタイガー、HIDEがX加入前にリーダーを務めたバンド)に青い薔薇(Xといえば薔薇!!)が巻きついています。

また、後にspread beaverで活動を始めた際には、その図柄の上からトライバル柄のタトゥーを、spread beaverのメンバーと一緒に追加しています。

これらのことから、HIDEにとってのタトゥーは「アーティストである自負」の象徴だったのではないかと思います。

ここで「4文字」ですが、HIDEにとって「アーティストである自負」を象徴する4文字は「HIDE」だと思います。

ふとしたきっかけでトラウマが思い出されても、夢を叶えるために作り出したHIDEという存在が蓋をする、ということでしょうか。難儀ですね。

また、「傷痕」と「タトゥー」は連動して増えることから、

SCARS=傷を塞ぐ4文字=HIDEとも取れます。

また、「hide scars」で「傷を隠す」という意味になります。

そして、「hide scars」で画像検索すると、傷や痣などを隠すための鮮やかなタトゥーの写真がたくさん出てきます。

無数の傷痕を隠す色鮮やかなタトゥーがHIDE。まさにHIDEっぽい歌詞だなって思います。

また後年、spread beaverでHIDE(hide)は「leather face」という、表面だけ取り繕ったハリボテの自分を揶揄する歌を書いています。レザーフェイスは、爛れた素顔を仮面で隠しているキャラクターです。自分は傷痕だらけであるというイメージがあるんでしょうかね。

 

ずれ始めたリズムの中 乱れ踊るメロディー

 

この歌詞だけでは判断できませんが、後半の内容を踏まえると、リズムがずれるのは、旧ベーシストのTAIJI不在を指していると思います。

新ベーシストのHEATHもすごいのですが(SCARSのベースラインとか、素人でも分かるくらいすごい)、

TAIJIは走りがちなYOSHIKIのドラムの近くに行き、リズムを調整する役割をよく務めていました。

しかし、X後期のTAIJIスタジオミュージシャンに降格し、それに伴って初期の派手なパフォーマンスは無くなっていきます。

そして彼が脱退し、ドラムの暴走が増えます(YOSHIKIの持病悪化の影響もあると思いますが)。

白い夜」で演奏された紅は顕著で、面白くて好きな映像ですけど、演奏としては完全に破綻していました。

SCARSの旧タイトルは「SCARS ON MELODY」なので、メロディーという歌詞にも注目できます。

この時点でのメロディーは「乱れ踊る」ようです。

(2022.12.4追記)

上記「乱れ踊るメロディー」の解釈はこの記事を書いた時点で考えていたものです。

消さずに残していますが、今考えるとこの意味だけではないと思います。

もう一つの意味については、最後の方(ラスサビのあたり)に追記しました。

こんなに比喩だらけの曲でここだけ直球な表現するわけなかったな…と今になって思います

 

かけ違いのボタンでさえ気づかず奏で続けた

色のない華にまみれて踊れ

 

ずれるリズム、かけ違いのボタンなどの言い回しから「すれ違い」のイメージが浮かびます。

ここまでの流れからいって、すれ違いに「気づかず奏で続けた」のはHIDEです。

気づけなかったのは、HIDEであることに必死だったからではないでしょうか。

色のない華はなんだか分からなかったのですが、冒頭でrusty nailを引っ張ったりしてるので、DAHLIAを皮肉っているのかなと思いました。

DAHLIATAIJI脱退後のアルバムです。

自分のことに必死で、何かが「ずれ始めた」時に気づけなくてこの結果を招いたのだから、

色のない華→DAHLIAでも滑稽に踊り続けろと、作者(松本くんとします)がHIDEに命令している感じですね。

 

横たわる詩にキスを与えよう

 

」は曲中で何度も出てくる言葉です。

そして、キスという表現がhideの日本語詞に出てくるのはSCARSだけ、だと思います(beauty&stupidにも出てくるけど英語の部分)。

ラブソングが少ないのでキスとか言うのが珍しいです。

後で書きますが、たぶん口封じなのではないかと思います。

 

風に溶けて流れるお前の横顔

切り裂いてやりたいと傷口を欲しがる

 

普通に読むと「傷口が開く痛みを、お前にも味わわせたい」という内容です。

しかし、傷口を「欲しがる」ので、「傷口が開く痛みを欲しがっている」とも取れるんですね。

痛みを味わわせたい「お前」は、難儀な状況を作り出している元凶でしょう。

「お前」は「風に溶けて流れる」ので、実在していない存在です。

苦しみの元凶かつ実体のない「お前」は「HIDE」でしょう。

傷口が欲しくても、HIDEによって塞がってしまう。

HIDEであることに一生懸命だったせいで、ボタンの掛け違いに気づけなくて、こんなことになった。

苦しいことが全部HIDEのせいで起こっているのです。

そりゃ切り裂きたいよね…

しかし、松本くんによって作られた偶像のHIDEには実体がないので、傷はつけられません。

ところで切り裂いてやりたいと傷口を欲しがる」って不思議な文章ですよね。

「切り裂いてやりたい」なら傷口を「与えたい」人だし、

「傷口を欲しがる」のは「切り裂かれたい」人じゃないですか?

でも、切り裂きたいと思っている人と、傷口を欲しがっている人が同一人物とすれば、意味が通ります。

「傷口」は、セルロイドの夢のためには塞がなければならない過去でした。

ふとした瞬間に過去を思い出すと感じる痛みや辛さ(本音)を、作り物であるHIDEが覆い隠してしまう。

痛いし辛いけど、本音を出したい(傷口が欲しい)。

本音をぶちまけて、HIDEなんて捨ててしまいたいという、やけっぱちな心理状態が見えてきます。

でも、傷口はwoundです。scarは傷痕です。

タイトルはSCARSなので、何度も傷口は開いたけど、その都度傷痕になって塞がってしまったのです。

 

君の壊れたメロディー 二度と交わらず

消えてくれ 叫んでも 明日もまた同じ影を着たままで

 

」という新キャラが出てきました。

また、さっき乱れ踊っていたメロディー「君」のものだったことと、もう壊れてしまったことが分かります。

何に消えてくれと叫んでるのかはわかりません。影がなんなのかもわかりません。ここはお手上げ!!1番サビのラストなのにわからん!!!

 

2度と語ることもない詩達に祈りを

まぎれもなくいつくしみを分かち合った日々を

 

また「」が出てきました。さっきは横たわっていたのが、2度と語らないに悪化していますが、キス=口封じをされたからかなと思います。

「慈しみを分かち合った日々」は楽しい思い出ですよね。

冒頭で、昔の思い出が傷がこじ開けると言っていました。

あれは嫌なことを思い出して辛かったのではなく、

ピックが苦くなかった頃、楽しかった頃を思い出すと、現在とのギャップで、傷がこじ開けられるような痛みを感じるのだとここで分かります。

だから、傷をこじ開ける思い出は良い思い出なのに、今後もHIDEを続けていくために蓋をしなければならないのです。

 

耳の奥で泣きじゃくる詩の繰り返す声が胸をかきむしる

love brilliant scars

paint brilliant tomorrow

sing brilliant song for myself

ここまで正体不明だった「」ですが、横たわって語らないけれど、HIDEの耳の奥では泣きじゃくるということで、ネガティブかつ暗い印象です。

しかし、その「詩」の内容は意外に前向きでした。

「素敵な傷痕を愛そう」

「明日を素晴らしい色に塗り潰そう」

「美しい歌を自分のために歌おう」

こんな前向きな「詩」が、なんでこんなに酷い目に遭っているのでしょうか?

私は、何度も出てくる「詩」は、「XのTAIJIと、XのTAIJIとして彼が作った作品」を表していると思います。

SCARSはTAIJIに向けて作られた曲なのでは?というのはファンの間でよく考察されていることですが、「詩」にまつわる部分がまさにそれだと思いました。

自分のために歌おうという言葉で思い出されるのは、voiceless screamingという曲です。

過労で声が出なくなってしまったボーカルのToshlのためにTAIJIが作った曲と言われています。

この曲はTAIJI脱退後、休止する97年まで演奏されませんでした。

素敵な傷痕って何?と思いますし、いろんな解釈ができると思うのですが、

SCARS=HIDEだとすれば、TAIJIはHIDEに「自分を愛せ」と言ってくれたのかなあ?と予想しましたがどうなんでしょう?

HIDEとTAIJIのエピソードで思い出すのは、HIDEが自殺すると騒いで包丁を出した際、それをTAIJIが取り上げてどこかに隠したけれど、隠し場所が誰にも分からなかったという話です。

自殺を止めるためにそこまでしてくれる人なら、自信のないHIDEを元気付けることはあったでしょう。

でも、元気付けてくれた人はもういません。

明日を塗り潰そう、はこの後出てくるので省略します。

そして、前半に出てきた「詩にキスを与えよう」ですが、

詩は語らなければ誰にも聞こえないのだから、キスされたら存在しないのと同じです。

動かなくなった「詩」を、「二度と語らない」状態にまで貶めたのはHIDEだと思い詰めてるようにも見えます。

TAIJIが脱退させられた理由は謎なので何とも言えないけど、さすがに自分を責めすぎじゃない?と思いますが、HIDEっぽいなあとも思います。

 

いつか2人望んだ明日の景色は

紫の香り立つ幸福にまみれた

 

この「2人」は、1番サビの内容と、次に書かれる内容からして、松本くんとHIDEだと思います。

スターに憧れるけど繊細な松本くんが、夢を叶えるためにHIDEを生み出したというのは、HIDEの発言や人柄を見ていると分かることです。

HIDEはスターになるために生まれました。だから、松本くんが気にすることも、HIDEなら気にしません。これが「傷口が塞がる」理由だと思います。

松本くんが傷付いても「これはHIDEだから」「HIDEになるためだから」と思えば痛みが和らぐか、無かったことに出来たのではないでしょうか。

そしてHIDEが人前に出て成功すると、松本くんも嬉しかったはずです。

2人の望みはかつて一致していました。ロックスター「HIDE」は2人で叶える夢でした。

そう思うと、前半の「切り裂いてやりたい」「傷口を欲しがる」まで悪化した関係性がより痛々しく映ります。

」は、HIDEがXのために初めて作詞作曲した「celebration」に出てくる色です。

希望に満ち溢れた内容で、収録アルバムである「BLUE BLOOD」をモチーフにとり、

「青い血のワインを世界中にばら撒く」=「アルバムの世界的大ヒットを大いに祝おう!」という、夢のある曲です(発売後本当に大ヒットしたのがすごい)。

祝いの席に必要なのは「紫のスモークとイリュージョン」でした。

たぶんHIDEの中で、紫は幸福の色、祝福の色なのです。

松本くんもHIDEも、紫色の幸福を夢見ていました。少なくともcelebrationの時期までは一心同体だったようです。

また、「」の中にあった「明日を素晴らしい色に塗り潰そう」とは、

青か紫かは分かりませんが、希望に満ちていた頃TAIJIと語り合った内容なのかもしれません。

 

今は白く開いた明日を待ちかねて

目を開き踏み出せば後ろ髪掴むお前の手が

 

紫色の明日は実現できませんでした。

今できる前向きな行動は、白くする→白紙に戻す、「XのHIDE」をやめて一からやり直すことです。

そんな明日を「待ちかねて」いる…

 

待っているんですよね…

 

ここがヒデ怖っ…と思ったポイントなんですが、

何もしなくても、「待っていればそうなると分かっていた」んです。

つまり、Xが終わることを分かっていたんじゃないかな…と思います。

この歌詞は、まだToshlが洗脳される前の1994/12/30には完成していました。

解散ライブのちょうど3年前です。

HIDEの人物評として「先見の明がある」とよく言われますが、東京ドームをパンパンに埋めて人気絶頂の中、自分たちの終わりを予見していたんですかね。

予想通りXは壊れてしまったので、「XのHIDE」も消えることになりました。

しかし、その日が来る前に、待ちかねて行動を起こそうとしたこともあったのです。

でも「お前」=HIDEに後ろ髪を引かれる。

HIDEが成功したのに嬉しくないのか?」ってことです。

松本くんにとってもそれは夢だったから嬉しくないわけないんですよ。

XでHIDEが大成功をおさめている現実が、本音に従ってやり直そうとする松本くんを引き止めます。

かつては同じ景色を夢見た二人が、同じ夢を見たせいで足を引っ張り合っているのです。

 

HIDEはXJAPANの解散をさんざん引き止めたと言われています。

本心は彼のみぞ知る…ですが、こんな複雑な葛藤を乗り越えてでも「続けたい」という気持ちが勝り続けたのだから、結局大切だったんだと思います。

解散後も「Xを辞めたつもりはない」って何度も言ってたしね。

 

君の壊れたメロディー 2度と交わらず

歪んでる旋律は俺の中でただ鳴り続けてるだけ

 

」はTAIJIのことだとして、

メロディーは、リズムがずれ始めた段階(TAIJIの影響力が弱まってきた頃)はまだ乱れ踊る元気がありましたが、彼がいなくなった今はもう「壊れて」しまいました。

なので、「君のメロディー」は、彼が作った曲というより、「TAIJIがいた頃(=X時代)の演奏、思い出」を指しているんじゃないかなあと思います。

それなら「交わる」って表現も分かるんですよ。HIDEの出す音が他メンバー全員の音と交わって演奏になるイメージ。

 

(2022.12.4追記部分)

メロディー=X時代=楽しかった頃」とわかると、思い出についての歌詞と繋がってきます。

楽しかった頃とは、「慈しみをわかちあった日々」であり「傷をこじ開ける思い出」でもある。

歌詞の中では「メロディー」と表現されている部分を、「楽しかった頃の思い出」に置き換えて読むことができます。

「メロディー」が乱れ踊るのは、演奏が乱れてしまったことだけを指していたわけではなく、

「楽しかった頃の思い出」が乱れ踊る=意図に反して頭の中にフラッシュバックする様子を表現していたと考える方がしっくりきます。

錆びたピックの苦みで、これが苦くなかった頃を思い出してしまった時と同じように、

演奏のリズムがずれ始めると、TAIJIがリズムコントロールしてくれていた頃、初期の楽しかった頃を思い出してしまう?

でも今は壊れてしまって、二度と交わらない…泣…

(/追記終)

 

最後に初めて一人称「」が出てきます。

ここの「俺」は、松本くんとHIDEを内包する自分全体のことかなーと思いました。楽しかったのは松本くんもHIDEも同じだからです。

楽しかった頃の演奏は、頭の中に焼き付いてるし、いつでも聴こえているけど、現実で出す音とそれが交わることは二度とない。

でもずっと鳴り続けてるよ、という情景ですね。

 

同情したり心配したり怖がったりしながらここまで読んできましたが、

2度と実現しないメロディーが流れているラストシーンには泣けてしまいます。

HIDEが自覚してるかは分からないけど、これは…ものすごいバンド愛の歌だね……

喧嘩売ってる曲とか早とちりしてごめん……と思いました。

 

2度と戻れないと分かってるのに、楽しかった頃が忘れられない。

もっと早く異変に気づけたら何か変わっていたかもしれないという後悔。

このまま行けば現状が崩壊して解放されると分かっているけど、それを早める行動は起こせない。HIDEのせいでしんどいけど、HIDEが成功したのは嬉しいから。

でも、楽しかった頃の演奏も、もういないTAIJIの優しい言葉も耳から離れなくて、思い出すたびに傷口が開くような痛みを感じるけど、仕事を続けるために痛みを押し殺してHIDEになることを繰り返している。

かつてはHIDEが大好きだったけど、今では自分自身を覆い隠す障害物になってしまった。

切り裂きたいほど憎いし、傷口を欲しているのに、実体がないから傷付けられない。

自分にできた傷は、その都度HIDEが塞いで傷痕になっていく。

この経緯で出来た沢山の傷痕=SCARSが今の「HIDE」である。

…と思ったんですけどどうですか!??!?!??

 

最初のタイトルは「SCARS ON MELODY」でした。

SCARS=HIDEとすると、「HIDE」という存在をメロディに乗せるとこうなるよという、壮大な自己紹介ソングだったんじゃないか…?と私は思いました。

HIDE文才あり過ぎない?

 

2022.12.4追記

久々に読み返して誤字等修正、「メロディー」についての部分を加筆

 

以下蛇足

SCARS ON MELODYというタイトルについてふと考えました。

SCARS=HIDE、MELODY=楽しかった頃の思い出と解釈すると、

思い出をHIDEが踏みつけにしている様子がタイトルになってるんですね…

メロディー取れってヨシキのアドバイスのおかげでちょっと救われたのかもしれない(?)